ヤンキー王子とラブレッスン①【完】

「ど……ど……どうしよう……。
のんちゃん……。
あた……あたし……。
これ……返してくる……」


ぶつけた頭を撫でながら、のんちゃんに向かって座りなおすと……。


のんちゃんは、あっけらかんと言って、ケタケタ笑った。


「いんじゃない?
くれるってんなら、もらっとけば。
煌には、どってことない額でしょ――。
それより、さ?
この人……。
この人、どう思う!?」


のんちゃんは、あたしと五十嵐くんのことには、もはや興味がないようで……。


ちっちゃなバッグの中からケータイを取り出し、男の人の写真を見せてきた。