だって、さっき……楓ちゃんが……言ってた。


五十嵐くんは、世界に冠たる一流企業、五十嵐グループの御曹司だって。


そんなすごい人達と、あたしなんか、全く知り合いじゃない。


それなのに……どうして?


五十嵐くんに片手で抱き上げられ、プラプラッと揺られながら、五十嵐くんにチラッと視線を向ける。


すると五十嵐くんは、前を見据えたまま大股で歩き、ソファの上にゆっくりとあたしを下ろした。


「それを今から説明してやる。
だから、おとなしく座ってろ」