ヤンキー王子とラブレッスン①【完】

そう聞こうとしたあたしの唇に、五十嵐くんはひとさし指をあてた。


「バーカ、なに言ってんだ?
鬼畜と思われるより、王子の方が、マシだっつったろ?
やるよ、ありがたくもらっとけ」


「…………」


「……んだよ、その顔。
気にいらねぇのか?」


五十嵐くんはあたしの唇から指を離し、大きな体を曲げて、あたしの瞳をのぞきこんだ。


「仕方ねぇだろ?
こんな格好のまま、帰したくねぇんだから」


「……えっと。
そうじゃなくて……」