ヤンキー王子とラブレッスン①【完】

「おまえ、そのドレス、肩のところのレースが破れてる」


「……えっ!?」


「おおかたさっき、あの男に破られたんだろ。
肩も赤くなってたしな。
あいつ等、女にどれだけ手荒な真似してるんだっつーの」


「…………」


「せっかく、このドレス、似合ってたのになぁ?」


そう言って、五十嵐くんは、柔らかい笑顔をあたしに向けた。


「え……?
じゃあ……。
さっき……あたしの肩に……ジャケット羽織らせたのも……。
電話したのも……そのため?」