ヤンキー王子とラブレッスン①【完】

「一之瀬さん。
合格でしょ?
つか、俺のものなんで、気安く触らないでください」


そんな声とともに、マネキンのような男の人から、引きはがされた。


「この目で見るまでは、疑ってたけど……」


そう言いながら、一之瀬さんと呼ばれた男の人は、あごに手をあてた。


「悪くないな」


……って、なんだろう。


こんな……人を値踏みするような瞳とか。


この人……けっこう……怖い。


そう思って、五十嵐くんの背中に隠れる。