ヤンキー王子とラブレッスン①【完】

今、あたしの目の前にいる五十嵐くんは……。


あたしがイヤだと思っていた男の子と……全然違う。


あたしに触れる指先も、あたしを見おろす瞳も、優しくて。


「……んだよ。
もっと、そばに来い」


両手を広げてあたしを抱き寄せる腕も、逞しいけど、余裕があって。


包み込んでくれる匂いも、清潔感たっぷりの、素敵な香り。


そんな五十嵐くんに、こうやって、ギュッと抱きしめられていると……。


ドキドキして、倒れちゃうかも……って、思う反面……。


なんだか、とっても、安心できる。