「は?
なに勝手に脱いでんだよ」


笑いをおさめた五十嵐くんが、手渡したジャケットをあたしに巻きつけ、肩をグイッと引き寄せた。


「おまえは、もう、俺のものだろ?」


「…………」


……はい?


五十嵐くんの言葉の意味が、わからない。


「つか、このまま帰したら、俺イコール鬼畜に決まりだろ。
そんなの、ごめんだ。
だったら、まだ“王子”の方が、マシだっつーの」