そんなのんちゃんに……。


「大丈夫、大丈夫!!
行こ?」


にこっと笑いかけた瞬間……。


「……キャッ」


後ろから二の腕を引っ張られ……。


「けなげな決心。
エライ、エライ」


耳元に、五十嵐くんの低い声が降ってきた。


「でも、ひとつ忠告しとく。
おまえがどんなにがんばっても、狼には勝てやしねぇよ」