「……北澤か」


運転手さんの名前を口にしてから、ケータイを無視したのんちゃんが、あたしに向かって身をのりだした。


「そうだ、心優!!
今から一緒に、北星に行こうよ!!」


「……えぇっ!?
なんでっ!?
……ってその前に、電話にでなよ~」


「ん?
いいの、いいの。
北澤は待たせとけば。
それより今は、心優の話~♪」


二マッと笑ったのんちゃんが、机にひじをついて、あごをのせた。