ヤンキー王子とラブレッスン①【完】

ありえない――っ!!


顔面蒼白のあたしを残し、みんなは余裕の表情で、客席に向かう。


あ、でも、男子は……。


「ひゅ~ひゅ~ひゅ~♪」


「心優ちゃん、がんばって!!」


「キミの演奏、楽しみにしてるよぉ!!」


思いっきり熱い声援をくれたけど。


そんなの、なんの足しにもならない。


むしろ、余計緊張しちゃったよ。


でも、とにかく……。


とにかく、何か弾かなきゃ……。