「のえる…さん。助けていただいてどうもありがとう。 刀を…下してあげて。」 「…あのさ、この城にいい噂が流れていなかったのに、 女一人で乗り込んで来るなんて…迷惑だ。」 紅葉から刀を下したのえるは 私を見て真剣な顔でこう言った。 ドキドキが止まらなかった。 迷惑って言われているのに、その言葉は私の頭に届いていないみたい。 「…遠く離れ、細き道を通ってくるこの城に、姫様一人で来させるわけがない。」