「絢芽姫!よくおいでになされました!ささ、お入りになってください!」 ピンクの淡い着物は希更さんの肌によく似合っていた。 「お招きをどうもありがとう、希更さん。」 「またこうして絢芽姫に会えるなんて光栄ですわ。」 他愛もない会話を交わしながら廊下を歩き、眞田城自慢の菖蒲の間に到着した。 私と同じ名前のこの部屋は、私のお気に入りでもあるの。 「希更嬢様、今すぐにお茶と和菓子を用意いたしますね。」