「絢芽(ayame)姫様!またどこに行ってらっしゃったんですか!」 そうやっていつものように彼は騒ぐ。 「外よ、そーと。わたしにだって色々あるの」 「しかしですね、殿様もご心配なさっていらっしゃるのです。それに」 「はいはい、わかったからもう行ってくれる?」 お父さまの家来の忠良(tadayoshi)は しっかり者で私をいつも心配してくる。 どうせ私に何かがあったら お父さまに顔が上がらないだけだろう。