雨、のち虹




「千鶴ちゃんは私服でもあんまイメージ変わんないんだよなぁ」

「そうですか? 野々宮先輩もあんまり変わんないですよね、一回しか見たこと無いけど」

「あの無難な感じのやつね。千鶴ちゃんは、何て言うか……ん、まぁどっちでも可愛いよ」

可愛いよ、なんて普通にサラッと言える高校生います? 普通言います?

少なくとも男の人に可愛いよ、なんて言われなれていない千鶴は反応に困って俯くしかない。

「その反応も。まー、可愛いよね」

「からかわないでくださいよ」

さっきよりも鋭く睨んでみたがやはり効果無し。

「ほんとだよ」
なんて笑顔で返されて頭をクシャクシャっとなでられた。

こういうこと、野々宮先輩はやりなれてるんだろうなぁ、なんて。
そんなことを思ってしまって面白くない。
そんなことを思う自分が面白くない。

せっかくの楽しい時間がどんどん面白くなくなりそうで、そこで考えるのをやめた。