雨、のち虹




野々宮先輩は何がやりたいんだろう。
一人の帰り道でそんなことをぼんやりと考えてみる。

野々宮なら、何でも出来る気がする。

野々宮は大抵のことは笑顔で軽くこなしてしまう。言ってしまえば器用なのだ。

顔よし、人当たりもよし、その他諸々よし、ただ唯一スポーツは人並みに少し足りないらしいがヘラヘラと笑いながらやっているので本気でやったら出来るような感じがする。

千鶴には、何があるか。

思い浮かべてみるが……
ーーないなぁ。

色んなことやってみ? 野々宮の言葉が頭の中で響く。
人見知りな千鶴は“色んなこと”や“色んな人”に積極的に関わることを避けていた。

夢を見つけるのも、簡単じゃないってことだ。