実は、最近やんわりと進路について考えさせられるようになってきている。
HRの時に将来の話になったり、大学やその他就職の話になったり。
将来なりたい職業から遡って大学を考えなさい、なんて先生は言うけど、将来の夢がない千鶴は大学も学部も考えられない。
何か好きなことや得意なことを職業にすればいい、なんて言われても何もないのだ。
具体的な職業はおろか、方向性すら定まらない。
かろうじて理系にいこうかな、なんて思ってはいるが、理系なんて文系よりそこから先の進路が幅広い。
「色んなことやってみ?
あと、色んな人に会うの。
そしたら漠然とでも何か見つかるかもしれないから」
真剣な顔でそこまで言って、野々宮はニコッと微笑んだ。
「まぁ、一個しか変わんない俺ごときが言えることはそんなことだけだね」
そう言える野々宮は何か本当にやりたいことが見つかっているのだろう。
結局何がやりたいのかは下校時間が迫っていて聞きそびれてしまった。

