「でも千鶴ちゃんは最低じゃないよ。俺がそう思ってるから、千鶴ちゃんは最低じゃない。
あと、よくしてもらってるって言ったけど、それ勘違いだよ」
「勘違い?」
「俺もノリも結構したいことやってるだけだから。
千鶴ちゃんによくしよう、とか全然無いんだから。そこは引け目に感じるとこじゃないよ」
覚えときなさい、とちょっとおどけたような口調で言われ、思わず、はいっなんて元気に返していた。
「さて、暗くなったから帰ろうか。夜道は危険が多いからね」
「小山先輩、保護者みたい」
「ん? 保護者ー?」
保護者のような、先生のような、友達のような、お兄ちゃんのような、弟のような先輩。
「聞いていただいて、ありがとうございました」
「俺ほんとに聞いただけだし。
少しは楽になった?」
「はい、だいぶ。
多分、ちゃんと野々宮先輩のこと見られます」
「そりゃよかった」
野々宮への想いとは違うが小山のことも、千鶴は大好きだ。

