「野々宮先輩と、ライブに行ったんです。土曜日に」
帰り道にある中学校の裏の小さな動物の遊具が二つあるだけの公園に入ってポツりポツり話しだした。
小山も千鶴も遊具に腰掛けて向かい合っている。
「野々宮先輩がチケット二つ取ってくれて、ってそんなことどうでも良いんです」
自分のことなのに、いざ話すとなるとうまく言葉にできない。
そのまま、少し黙り込んでしまった。
「すみません、なんか言いたいことまとまらなくて……」
「良いよー? 人の恋路を黙って見守るの好きだからね」
「こ、恋路!?」
「あれ? 違う話だったっけ」
違うと言えば嘘になる。
でも、こんなに簡単に(しかも小山に)気持ちを見透かされているとは思わなかった。

