あんな、野次馬丸出しの噂話を聞いておいて、何も言わなかったくせに。
こんなところでぬくぬくと……。
そこから先はあまり記憶にない。
ただなんとなく笑って、お菓子をつまんで。
それでは教室にいるときと一緒だ。
この場所を、この人たちといる時間を、そんなふうにはしたくなかったのに。
「千鶴ちゃん、大丈夫?」
ついに帰り道、小山に声をかけられた。
「すみません、気分悪くさせてしまって」
「いや? 気分悪くとかじゃないけど」
空くとも大丈夫か聞きたくなるくらい大丈夫そうには見えなかったということだ。
「聞こうか?」
はい、と即答するのには躊躇が大きかった。

