雨、のち虹




「おじゃまします……」

微妙に後ろめたい気持ちで部室の扉を開けた。


「お、千鶴ちゃん来たー」

「どうぞどうぞ座って?


千鶴が座ると、何やらまた二人はコントのようなことをしている。

そんな二人の微笑ましさが、今日の千鶴には痛かった。


「なんかこの人がビンゴ大会で当てたらしいから遠慮なくどうぞー」


「ちょっとは遠慮しろや! さっきからバクバク食いやがって!」


「ダメなの? ダメなら良いですけど。そちらで食べきれるのなら」


「……遠慮なくどうぞ」


この二人に罪は無い。

千鶴が笑えないのは千鶴の都合だ。

無理やり口角を上げてみる。
上手く笑えているだろうか。
せめて野々宮のように。心から笑えなくても、野々宮みたいな愛想笑いで良いから。


笑おうとしながら心の中では泣いていたのかもしれない。