雨、のち虹




昼休みが終わってから、いつも通りと言えばいつも通りに午後の授業をボーッと過ごしていたら放課後はやってきてしまった。

いつもと同じかややいつもよりゆっくりと荷物をまとめ、教室を出た。

部室に行けば野々宮はいるだろう。

しかし、千鶴には野々宮に真実を聞く勇気も、何ともない顔をして会う度胸もなかった。

聞いたところで告白しようなんて考えただけで冷や汗が出る。

というわけで、今日のところは真っすぐ家に帰ろうと思っていた。


……のだが。


――部室で小山がお菓子持ち込んでます。おいで、かっこわらい
ですか……。

靴を履き替える間際、良いのか悪いのか(間違いなく今の千鶴にとっては最悪だが)驚くべきタイミングで携帯が着信音をならした。

そしてまた運の悪いことに、部室が並ぶ棟の方を見ると、きっと探していない限り見つからない一番奥の部室の窓が細く開いていてその細い隙間から小山と目があってしまった。

一体千鶴は何をしちゃったんだろ……。

特に罰を与えられるような生活はしていないつもりだったが何か神様か仏様の癪に障ることをしてしまっていたのかもしれない。

大きくため息をついて、校舎の中へ引き返すこととなった。