とりあえず、悪い意味ではないようなので一安心して、自分の家のクローゼットを思い浮かべた。
だいたい入っているのは似たような雰囲気の服ばかりで、たまに気分を変えてみることもあるがそれでも大して変わりはしない。
ごくたまに借りることのある姉の服も、千鶴の好みとほとんど同じである。
「はい。だいたいこんな雰囲気です」
「そっか。ならいいね」
何がいいのか分からず、首を傾げると野々宮が自分の服の裾をひっぱりながら言った。
「服の感じが真逆ってなんか隣に居づらくない?
千鶴ちゃんと服の好み似てて良かったなって」
確かに、野々宮の服も千鶴のと雰囲気が似ていて、
好みが似ている、というのも分かる。
――でも、好みが似ててよかったとか、裏返せば隣に居やすい、とか期待するようなこと言っちゃダメでしょ!
別に深い意味がないと分かっていても、そう言い聞かせていても、
どこかで期待して勘違いして、単純に喜んでいる自分がいた。

