「あ、はい……」
とにかくさっきのことはバレていなかったらしい。
安心したような、黙っているのが後ろめたいような、そんな気がした。
「で、メールの返事は今いただけるのかな」
メールの内容は土曜日の待ち合わせ場所と時間の話だった。
「はい、了解です」
言うと同時にメールの返信もした。
「うん、じゃあ土曜日に。
って何でメールの返事までしてくれたのかな」
軽快に鳴った着信音で携帯を確認した野々宮が笑う。
何か間違ったっけ。首を傾げると野々宮は更に笑った。
「いやいや、口で返事したらメールいらないでしょ。
ちょっと本気で小山さんって呼ぶよ」
とりあえず何か間違ったらしい。
「あ、なんかごめんなさい」
「これは結構本格的な天然ちゃん来ましたね」
1人クスクス笑っている野々宮の笑いの意味は千鶴には分からなかった。

