雨、のち虹



「野々宮先輩!」

そう言って近づこうとしたら、千鶴の横を1人の女の人がすっと横切った。

そしてそのまま、その人は野々宮の方へ行き隣に並んだ。

野々宮が付けていたイヤホンを片方外して自分の耳に付ける。

あまりの自然さに疑問を覚える暇もなかった。

少しの間二人を見ていて気づく。

こっち来るじゃん!

二人は仲良さげに笑いながら歩いてくる。
千鶴は慌てて野々宮のクラスの靴箱と反対側に回った。

誰なんだろう……あの人。

彼女だろうか、ただの友達?

そんなことは正直どうでもよかった。

今目の前で起こったことだけが、事実として記憶に残っているだけだった。