しかし、野々宮は全く気にしていない様子だった。
「普段の生活に年上要素はゼロだねー。
でもあの落ち着きは年相応以上でしょう」
「確かに。それは納得いきます」
「だって普通生徒が勝手に鍵取ってったら誰かしら気づくからね。
先生たち、あんな人に何勝手に取らせてんの?って」
意外と、というか思いっきり、人によっては悪口ととられるようなことを言っているのに野々宮は楽しそうだ。
さっきまでよりずっと本気で笑っている回数が多い。
きっと、それくらい仲の良い関係なんだろうなと少しだけ羨ましくなった。
「ただいまー」
「帰ってこなくていいですー」
間髪入れずに返す野々宮とのんびりした小山の掛け合いが面白い。
二人で扉を押したり押し返したりして、
野々宮は小山を部室に入れないように、
小山はなんとかして部室に入れるように、
二人ともすごく楽しそうな笑顔で遊んでいる。
こうしてみると、
……二人とも年上に見えないんですけど。
そんな二人と一緒にいるこの空間が
今までには経験したことのない空間で、
今までには経験したことのないくらい
楽しかった。

