――5時だ。 長針が12を指している。 千鶴は、自分の部屋で時計を眺めていた。 行けなかった……。 いや、行かなかったんだ。 これ以上期待して傷つきたくない。 結局、最後はそうやって逃げた。 今日行かなければもう会うこともないだろう。 野々宮と会ってからの日々は忘れることはなく、きっと夢なんじゃないかというような思い出に変わるのだろう。