校門を出たところで、ようやく野々宮は止まった。 そこで初めて千鶴の方を振り返る。 「え……泣いてるの?」 野々宮は片手で目元を押さえている千鶴を見て、自分の手を見た。 「ごめん。そんな強かった?」 手を離した手首は、うっすら赤くなっている。 でも、そんなことで泣いてるわけじゃない。 「大丈夫? 泣かないで?」 昔から、泣いているときに言葉をかけられると余計泣いてしまう質だった。