雨、のち虹



――
「千鶴ちゃん」

靴箱の所で野々宮に会った。
部室はこの先。

「今日ギター弾けそうなんだよね」

いつもより嬉しそうなのは、隣と向かいの部室が再び騒がしくなったからだろう。

「じゃあ、千鶴も聞きに行きます」

二人で並んで部室に向かう。
こういうの、憧れで終わるんだと思ってた。
千鶴が、こんなふうに男子と2人であるいているなんて。ましてや付き合ってるなんて。

ちょっと前までは夢のまたまたまた夢くらいの話だった。

……というか、夢に見るほど男子というものに良い印象を抱いていなかった。