「千鶴も……野々宮先輩といるの、楽しいです」
精一杯の勇気を出して言った。
もう、これ以上この場にいたら溶ける。
「それは良かった。
じゃ、また雨降ってきたらあれだから帰るね」
千鶴の頭をポンポン、と軽く叩いて千鶴に背を向けた。
歩き出した、と思ったらもう一度振り返って手を振る。
その仕草が可愛くて、手を振り返すとき思わず笑みがこぼれた。
あの仕草、絶対千鶴より可愛い……。
先輩に言ったら二度としてくれなさそうだから、言わないでおこう。
まだ口元に笑みを残したまま、マンションの中に入った。
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