「……でね、俺言ったわけ。
あんたさっき食ったじゃん
って、そしたらあの人さぁ」
帰り道、野々宮はいつも通り賑やかに話している。
千鶴は自分が話すのはあまり得意ではないので、向こうが積極的にはなしてくれると助かる。
「千鶴ちゃんといると、なんか落ち着くかもしんない」
もうマンションの目の前というところに来て、突然言われた。
「え? 何でですか?」
「俺基本お喋りじゃない、それを飽きもせず、ずーっと聞いててくれるし。
でも、別に沈黙が苦じゃないのね。
喋らなきゃ気まずい、とかないの。
自然体でそういうふうになれる人ってなかなかいないからね」
俺ら、正反対に見えて、意外に相性良いかもね。
なんて微笑まれて嬉しくない人がいるわけない。

