「今日アルバムの発売日なんだよね」
本屋の前に貼ってあった今日発売のアルバムのポスターは、この前二人でライブに行ったアーティストのものだった。
「野々宮先輩、このアーティスト好きですね」
野々宮が部室で弾く曲も、このアーティストのものが一番多い。
「まぁね。好みの曲多いし、ライブの演出も面白かったでしょ?」
確かに、ライブの演出はすごかった。
光や水や炎を効果的に使っていて、とても緻密に計算されていたのだと思う。
「つーいた」
野々宮が傘を畳んで中に入る。
いかにも女の子用の傘を躊躇なく透明の傘袋に入れて、店内に持ち込んだ。

