本屋は、千鶴のマンションの横の裏道を少し行って出た広めの通りにある。
千鶴のマンションの少し手前まで来た。
もう少しでこの時間が終わってしまう。
そう思って、欲がでてしまったのかも知れない。
「千鶴も行きます。最近行ってなくて」
ドキドキしてるくせに、一緒にいたい。
天の邪鬼で身勝手な恋する乙女の心情。
「そう? じゃ一緒行こう」
二人で傘に入ったまま、マンションを素通りする。
いつもと変わらない、何気ない会話が、いつもより距離が近いせいか、いつもと違って感じる。
緊張するけど、新鮮でいいかも。
ここもやっぱり天の邪鬼。

