雨、のち虹


予想外の答えに、どう返していいのか分からない。

「それで良い?」

「……でも、家、反対……」

ダメだ。
文章になってない。

「俺今日そっちの本屋でCD買うから」

それなら、とかどうぞ、とかもごもご何か言った気がする。

野々宮がさっと千鶴から取り上げた傘に入った二人の距離にドキドキしすぎて、そんなこと覚えてない。

「千鶴ちゃん、濡れるから」

野々宮は笑いながら千鶴の腕をとって自分の持つ傘の方に引き寄せた。

雨は濡れて面倒なので好きじゃないが、こんなことがあるのならたまにはいいかな、なんて。

自分の都合の良さに我ながら感心する。