雨、のち虹



残念ながら、今日は騒がしい隣の部室の活動が休みの日で、重ねて向かいの演劇部が学校外活動の日のようで、野々宮の歌は聴けなかった。


でも、楽しそうに楽器をいじっている野々宮を見るのは楽しい。

いつも見せるような、人当たりの良い愛想笑いなんてしていないのに、というかどちらかというと口をとがらせて眉間にしわを寄せているのに、楽しいのが千鶴にも伝わってくるのだ。

ゆっくりしているようで、あっという間なこの時間が千鶴の一番大事な時間。

だんだん日が暮れるのが早くなる。

それに加えて、今日は天気が悪かった。

「だいぶ暗いからもう帰ろっか」

ギターを片付けた野々宮に言われた。