「しっかし二人して上手くかわすよねー」
「お友達として付き合ってます! って、芸能人かってね」
「思ったー」
ほら。
さっきまでカッコいいなんて言っていたくせに。
「しかも田中先輩満更でもなさそうだったじゃん。
そりゃあんなのが彼氏だったら横に連れててカッコつくだろうけど」
「田中先輩って美人だけど性格悪いから友達少ないんだってー」
「あぁ、そんな顔してる」
キャハハ、と品のない笑いが起きた。
さすがに我慢できなくなって教室を出た。
昼休みも残り少なくなった。
このくらいの時間ならトイレで時間をつぶせる。
他に逃げ場がない千鶴にとって、長い時間をつぶせる場所は無かった。

