雨、のち虹


「あ! 野々宮先輩だったんですかぁ。
来たなら言ってくれればよかったのにぃ。
あたしに、何か用ですか?」

さっきまで、千鶴にしつこくつきまとって来たいた子が教室か出てきた。

あたしに、って。

その言い方がなんとなく面白くなかった。

この空間は、野々宮の隣で自然体で笑っていられるこの空間は千鶴だけのもののような気がしていた。

面白くない。
あの子が笑っているのが。
野々宮も笑っているのが。

……たぶんそれは嫉妬という。

こんな気持ちが千鶴の中にもあったなんて。

それに気付いてしまったことも面白くない原因の一つだった。