雨、のち虹



「千鶴ちゃんだったの!?
うわー、気づかなかった」

ぶつかった二人とも気付かないなんてこと、なかなかない。

自分の事ながらちょっとした才能じゃないかと思うくらい。

「二人ともちゃんと前見て?」

上の階から降りてきたのは野々宮で、一部始終を見ていたらしい。
爆笑している。

「いやー、スゴいね。尊敬」

「バカにしてます?」

「尊敬だって! 普通どっちかは気づいちゃうから。というか、どっちも気づいちゃうからね」

「千鶴ちゃん、これバカにされてるねー」

「されてますね」