雨、のち虹




暗いから電気つけようか、
なんて言って野々宮はドアと窓に黒い紙を貼った。

元々使われていない部室なので
明りがついているとバレてしまう。


だったら使わなきゃいいのに……。


「それにしても何で千鶴を呼ぶんですか。
今まで1人でいたんですよね」


「千鶴ちゃんが可愛かったから」


こういうことをサラッと言う人だから困る。

おまけに千鶴は言われ慣れてるわけでもないし
反応に困る。


何も言わずに黙っていると
野々宮は千鶴から目をそらしたまま小さく笑った。


「そういう反応可愛いんだよなぁ、千鶴ちゃん」


「からかわないでください」


「ごめんって」