初めは賑やかな手持ち花火から。
五人でするのには十分な量を買っているのにも関わらず、百瀬と彩矢は取り合いをして二本ずつ確保している。
「子どもじゃないんだから。
ねぇ?」
花火に火をつけるのに必死で、自分に話しかけられていると一瞬気づかなかった。
「千鶴、ですか?」
「うん、千鶴ちゃんに話してる」
野々宮は笑いながらすっと千鶴の手から花火を取り上げ、火をつけてまた返された。
自分のにも火をつけて明るい光に下から照らされている野々宮の笑顔が綺麗。
夜のせい。
全部、夜のこの雰囲気のせいにして、流されてしまおう。
ふとそう思った。

