「あたしはまぁ彼氏いますけど、そこそこ仲良いけどね。うん、そんだけだね」
そんだけだね、なら何で恋バナしよう、なんて言い出したんだ!
彩矢が話すことになってから、心なしか百瀬の表情が浮かない気がする。
笑顔がぎこちない……ように見えるのだ。
「次いこ、次! タツだよ」
「俺ー? ねぇよ」
「あるくせにねぇ?」
「ねぇよ!!」
野々宮は気づいているんだろう。
百瀬が彩矢のことを好きだと。
特に協力もしなさそうだが。
不意に野々宮と目が合った。
微笑まれて、嬉しくて、でも自分の顔に出てきたのは苦笑いのような笑みだった。
……表情鍛えなきゃな。

