雨、のち虹




一回目は野々宮と初めて会ったあの日。


「あの、ちょっとそこいいですか?
靴取りたいので」


「どいてもいいけどさ、ちょっと俺に付き合わない?」


「は?」


学年とか初対面とかそんなことお構いなしに答えてしまった。


だって、意味がわからない。


「だって俺は安眠を妨害されたわけだし」


「それは、あなたが千鶴の靴箱の前で寝てるのが悪いんじゃないですか」


「うん、だからお互いさまと言うことで
俺がどいてあげる代わりにちょっと俺に付き合って」


それ平等じゃないですよね、明らかにおかしいですよね。


色んな事を言った気がするが結局押し切られて
半強制的に連れて行かれた。