「で?結局こうなると」

ゲームの明かりで亮の顔がぼんやりと青白く浮かび上がる。

「仕方ないじゃ~ん。気になるんだもん」

「もう、花ってば!わたしこういう系無理だって言ってるじゃん!」

花の双子の妹、桜が半泣きになりながらも花に訴える。

「大丈夫大丈夫。ヴォレフがついてきてるんだもん」

一番後ろでダルそうについてくるのはヴォレフだ。

僕はため息をつきながらもしっかりと亮の服の裾を掴んでいる。

僕もこういうのはあまり好きじゃない。

「それにしても……中学なんて久しぶりだね~」

花がのんびりと呟くと、その声は廊下の先にまで響いた。

よりいっそう不安が増す。

まるで、平日の昼でも人がいない学校のようだ。

その時、ヴォレフが足を止めた。

「どうしたの?」

僕たちはCが眉をしかめながらジッとみている教室をのぞいた。

窓が、開いていた。

窓が開いていただけで、特に教室の中に誰かがいたわけではない。

だけど、何かがそこにいた気配はしていた。

「……いるかもな。あぁいう系」

僕はゾッとしてCを思わず見上げたけど、Cは無表情に僕を見下げていた。