「ヴォルフ~、ここら変の中学校に怪談話があるらしいんだけど、知ってる~?」
新聞を読んでいるCの横に腰を下ろした花は、長い髪をイジりながら、さりげなくCの肩に頭を置いた。
「……聞いたことがない」
Cは冷静に淡々と答えた。
「気にならないの?」
Cのその行動に、花は拗ねたかのように口と尖らせた。
「中学生っつったら、思春期真っ直中で情緒が不安定で好奇心に素直なこどもだろ。そういう話がよく持ち上がる。悪意、噂、秘密、恐いもの。最初の話が伝言ゲームのように途中で捻れ、ひそひそと増えて消えていく。その手の話が多いのは当たり前だ」
二人の会話に亮がゲームをしながら小さく笑った。
「もしかしたら本当にそういうのがいるかもな。だけど、そういったものにゼルトは恐怖ってもんを感じてないんだろ。理由は簡単。見たことがないから恐いかどうかわからない、これだけだ」
亮の言葉にCもふっと笑った。
「恐いかどうかは見て決める派だからな」
「でも、それだったら手遅れだよ!」
Cは新聞を閉じて立ち上がった。
「恐いのはいつだって人間の方だ」
その声は誰にも聞こえぬまま壁にぶつかった。
新聞を読んでいるCの横に腰を下ろした花は、長い髪をイジりながら、さりげなくCの肩に頭を置いた。
「……聞いたことがない」
Cは冷静に淡々と答えた。
「気にならないの?」
Cのその行動に、花は拗ねたかのように口と尖らせた。
「中学生っつったら、思春期真っ直中で情緒が不安定で好奇心に素直なこどもだろ。そういう話がよく持ち上がる。悪意、噂、秘密、恐いもの。最初の話が伝言ゲームのように途中で捻れ、ひそひそと増えて消えていく。その手の話が多いのは当たり前だ」
二人の会話に亮がゲームをしながら小さく笑った。
「もしかしたら本当にそういうのがいるかもな。だけど、そういったものにゼルトは恐怖ってもんを感じてないんだろ。理由は簡単。見たことがないから恐いかどうかわからない、これだけだ」
亮の言葉にCもふっと笑った。
「恐いかどうかは見て決める派だからな」
「でも、それだったら手遅れだよ!」
Cは新聞を閉じて立ち上がった。
「恐いのはいつだって人間の方だ」
その声は誰にも聞こえぬまま壁にぶつかった。

