カチカチと軽快に何かを打つ音がする。

「ふぅーん。アイツ、やられちゃったんだ。結構気に入ってたけど、仕方ないか」

「気に入ってたわりには諦め早くない?」

「死んじゃったんでしょ?仕方ないじゃん。それに、アイツにやられるなんて弱い奴、友達じゃないし」

「とかいいつつ、君もアイツに勝てるのかい?」

「あぁ。勝てるよ。アイツはまだ幼い」

「昔のアイツと今のアイツを同じにしてはいけない。必ず、君が後悔することになる」

「うるさいなぁ」

カチカチと軽快に何かを打つ音が速くなった。

「あぁ、速く、速く、もっと速くしないと……」

「ねぇ、何をそんなに急ぐ必要があるの?」

「アイツがこの世界を変えてしまう前に、僕が動かないとダメなんだ」

「もう、僕には君が分からなくなってきたよ。どうしてそんなにもアイツの存在を気にするの?」

カチカチという音が止まった。

「何でって、何?」

「え?」

「何でって、それくらいも分からないの?」

「えっと……、うん。僕はそこまでアイツに執着心をもってないから……」

「そうか……。じゃぁ、もうちょっと待ってみよう。それから行動に出よう」

「え?」

「君に……あの子にアイツらに、世界中の人たちにc-wolfがどれほど凶悪なものかをもっとしらしめてやるよ」