「俺はもう行く。家で待ってる奴らが山ほどいるからな。それに……、お前が元気でいることがみれたし。おそらく、ここまではPOLも来ねぇだろうが、もし来たら、お前は見つからないように隠れておけよ」

船に乗ろうとするc-wolfを見上げるタークの目に、不安の影が揺れた。

「ねぇ、一つだけ聞きたいことがあるんだけど……」

c-wolfが赤い目をタークに向けた。

タークは思わず目を少しそらして呟いた。

「どうして、そこまでPOLにこだわるの?」

c-wolfはしばらく黙っていたが、ゆっくりと口を開けた。

「POLの中に、俺が殺さないといけない奴がいるから。アイツだけは……俺が殺す」

c-wolfの名にかけて、と呟いた声は、もうタークには聞こえなかった。