「……しかも、かなりヒドイ。一般人、いや、POLの威濡っていう奴らでも死んでいたかもしれないくらいの毒だ。大量に体内でうごめいている。これは、取り出すための手術が必要だ」


皆、唖然として、口を開けたままだった。


やがて、医療チームの天才手術者ともいわれているオルガが皆を見渡した。


「誰か、ゼルトが毒にあたるようなことになった原因を知らないか」


皆が皆、顔を見合わせ、首を傾げている。


けど、亮がポツリとつぶやいた。


「POLに一人で乗り込んだ。……伽羅っつー奴に会うために」


POL、と聞いて、皆の目つきが変わった。


「POLなんかにそんな強い奴いたか?」


「伽羅って……前フィーリアがヴォレフと一緒に仕事したときにヴォレフが壊した奴じゃなかったか?」


「そういえば、その人のこと気に入ったって前言ってたよぉ~」


オルガがため息をついた。


「それが原因かもな。ゼルトが油断したとか、そういうのじゃなくて、こっちに引きずるために受けた毒なのかもな」


その瞬間、皆が顔をしかめた。


「POLをこっちに入れる気だったのか!?」


「勘弁してくれよ……」


「POLは私たちの天敵だよぉ!?」


僕は、ゆっくりとCに近づいた。


「それでも……、Cは入れたかったんだろうね。POLの伽羅にも、Cが入れたがるそれなりの理由があったんじゃないのかな」


僕が言った言葉に、皆が黙った。


そして……。


「……仕返しに行くか」


誰かが言ったこの言葉は、皆が心の底から思っていたことだった。