c-wolf

「何？」


迫力に気圧されるような気がして、威濡は足を踏ん張った。


「あんた、何て名前だ？」


しばらくの沈黙があった後、ニヤリとその口角があがった。


そして、それは威濡と琥露にハッキリとわかった。


「お前たちに辟易している。もっと楽しませてもらわないと。つまらないゲームをしても飽きるのはコッチだから」


驚きで二人の目が大きく見開いた。


そして、青年のフードが風でとれた。


そこから見えた、漆黒の髪に鮮血の赤色の目、そして、頬には狼の顔の影絵が刺青として刻み込まれていた。


ニヤリとその笑った顔は、誰がみても美形といえる顔だったが、恐ろしかった。


「お前は―――誰だ―――」


息が詰まるような感覚を覚え、ゆっくりと深呼吸しながら威濡が問うと、青年が大きく手を広げた。


「ゼルト・Ｃ・ヴォレフ。俺こそが、c-wolfだ」