アンジュエールの道標



優雅な動きとは違って鋭い光がそいつに向かって。


「ギィヤァァ――」


裂かれる身体に耳を劈く悲鳴。

思わず耳を塞いで目も閉じて。


「ダメだよ、見て」


ふわりと私の肩に暖かい永久さんの手が置かれた。


「ちゃんと消してくれるから」


その声にゆっくりと顔を上げた。


「ほれ、猫ども、止めを刺さんか」

「黙れ、女狐」

「ってか、そんなに強いのに何で尻尾取られたの?」

「……」


素朴すぎるハルの質問には眉間にシワを寄せて。


「やらんなら私が――」


もう一度、剣を高く掲げたとき。


「要らんお世話だ」


長く伸びた白夜さんの爪が黒い影を切り裂いた。