アンジュエールの道標


だからって、


「まだだよ、白夜」

「知ってる!」


黒いものはぐにゃりと形を変えてまたひとつに。

その姿は、


「ひっ!」


まるで鬼、とでも言えばいいの?

勿論見たこと無いし、絵本なんかで見た鬼なんだけど。

それよりもはるかに恐ろしくて異形の形を成してた。


「怯えないで」


私の腕を掴んで永久さんが私の体を引き上げた。


「君が怯えるとヤツの力が増してしまう」

「そ、そんなこと」


言われても。

私は普通の高校生で、こんなオカルトともSFともいえないような環境には慣れて無いし、読んでる携帯小説だって恋愛モノばかり。


「ねぇ、白夜っていい男でしょう?」

「へっ?」