アンジュエールの道標


「分かっておる」


やれやれと言った感じで真っ白な髪をかきあげて立ちあがり、振り返る。


「だが、これで互角か」

「そんなところだね」

「出来損ないとはいえ、もう少し貰えると楽勝なんだがな」

「白夜。欲張っちゃダメだよ」


白夜さんはその台詞にフンッと鼻を鳴らして、それからゆっくりと息を吐き出した。

空気が、研ぎ澄まされていく。

彼の真っ白な髪がキラキラと光を帯びる。

人の形を取っているけれど、何故か尻尾はあったり。しかも3本だったり。


「その女を殺せ」

「ひっ!」


低い声に空気が震えた。